名馬回顧 ライスシャワー
私が競馬場に足を運ぶようになって約10年。
それまでは競馬自体に興味はあったけど馬券を買いにいったことは無かった。
競馬場に行くようになって数回目のビッグレースが春の天皇賞だった。
ライスシャワーが3回目のG1レースを制したレースでもあり、一般的にはライスシャワーの復活レースとも言われている。
その年の春の古馬レースは三冠馬ナリタブライアンが故障のため不在で、主役不在の混戦だった。
一緒に競馬場に言った友人の一言が印象的だった。
『ナリタブライアンさえいれば悩んで馬券買う必要ないのになー』
私は強くて人気のある馬が小学生のころから嫌いだったので、ブライアンに絶対の信頼をよせる友人やその他多くの競馬ファンやマスコミに違和感があった。
だから心の中で『どんなことがあってもブライアンの馬券は買わない』と心に固く誓った。
競馬新聞の読み方すらロクに知らない当時の私は友人に助言を求めた。
友人の言葉。
『実績だけみればライスシャワーなんだけど、もう盛りは過ぎたし・・・ 去年ブライアンといい勝負した同世代が買いなんじゃねーの?』
私は友人の言葉を鵜呑みにした。
ライスシャワーは真っ先に除外。
出走メンバーのなかで唯一名前を知っている馬だったのにだ。
ろくに知らないエアダブリンとかを軸に馬券を購入。
結果は・・・
ゴール寸前でステージチャンプをライスシャワーが差し勝利をもぎとった。
友人はこう言いやがった。
『やっぱりなー、このメンバーでG1勝った事あるのライスシャワーだけだもんなー、はずす時点で間違いだよ』
なんて一貫性のない奴だ・・・
涙の復活と騒がれたライスシャワーであるが、ご存知のとおりその後の夏のグランプリ「宝塚記念」に出走する。
そして悪夢のような競争中の脚部開放骨折で安楽死処分。
ライスシャワーの予後不良は悲しい出来事であったが、私は変な予言めいたことを友人に語っていたことを覚えている。
『宝塚の“塚”ってのはお墓の意味があるよね? つまりボロボロの状態から見事に這い上がったライスシャワーには去り行く最高の舞台が必要なんだよ。グランプリの宝塚記念はその舞台にうってつけだし、“宝”の“塚”なんてのが似合うのはライスシャワーだけだよ。だからライスがらみで何か起こるよ』
私はいわゆる「オカルト馬券」の理論が嫌いではないので、今でも何かにこじつけて馬券 を買う。
時事問題に絡めて馬券を推理するのが好きだ。
しかし、ライスシャワーの場合は本当に宝塚記念が彼の死に場所となってしまった。
今でも忘れられない、「当たってほしくなかった予想」である。
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