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2005/06/06

本当の怖い話 紋別編

 今日は6月6日。ダミアンの誕生日だ。
 だからという訳ではないが、今回は私の経験した、かなり怖い話を披露します。

 他の記事でも書いたのですが、紋別時代の私は暇を持て余していました。
 されども「遊びに行きたし金は無し」なので自ずと夜な夜なオホーツク界隈を徘徊することになります。

 そんなある秋の夜のことでした。

 私は1年先輩のKさんと夜のドライブの計画をたてました。
 私もKさんもバイクしか所有していませんので、Kさんと同級生でカローラⅡドライバーのHさんを誘うことにしました。しかしHさんは意外とケチなのでなかなか誘いにのりません。ガソリンが勿体ないというのです。さすがに私たちもガソリン代を出すような馬鹿げたことはしたくないので、ジュースを奢るからとか意味不明な餌でまんまとHさんを騙くらかすことに成功しました。

 出発は夜の9時~10時頃だったでしょうか。カーステレオのFMラジオで渋谷陽一の番組が聴こえていました。紋別を発進し何となく稚内方面へ向かいます。途中でオムサロ原生花園というパーキングでジュースを購入。ここまでは約束どおりです。Hさんにはブドウの果肉が入った「ホワイトグレープ」という大好物のジュースを買ってあげました。Hさんの疑念を解いたところで本格的なドライブに突入です。

 特に目的も無く、行きたい場所があるわけではないので、行ったことのない道路を走破しようということになりました。
 どんなルートだったかはよく覚えていないけれど興部~西興部へ向かったような気がする。つまり名寄方面へ走ったことになるのかな。そしていつの間にか変な峠を走行していて、峠を抜けると滝上町に出る道だと気付いた。ここでトラブル発生。カローラⅡ所有者のHさんが猛烈な睡魔に襲われてしまった!確かに時計は0時を過ぎていた。仕方なくというか、予定どおりというかドライバー交代。Kさんがステアリングを握ります。

 推測どおり滝上町に到着します。公衆トイレ付きの休憩所で小休止。Hさんは後部シートで寝っぱなしだ。滝上まで来ると紋別方面か旭川方面の選択肢が2つしかないので、帰宅することに。

 深夜の幹線道路は長距離輸送トラックの天下です。一般車両はまず見かけませんし、「走り屋」とか「ローリング族」なんてのも皆無です。大型のトラックがかなりの速度で夜の北海道を爆走するのです。

 グダグダとKさんと話をしているうちに前方のトラックとの車間が狭まりました。異様に遅いトラックでした。最低でも速度80㎞以上は出ているのが普通です。なのに前方のトラックは30~40キロ程度。
 遅すぎる!!!!
 私とKさんは軽い怒りと苛立ちを覚え、追い越すことにしました。超低速のトラックなんぞパスするのは楽勝♪

 パスした瞬間2人の間でこんな会話が交わされました。
 『たしかスピルバーグの「激突!」って映画はこんなシチュエーションだったよね』
 『そうそう。トラックを追い越しただけで普通のおじさんがトラックに追い回されて殺されそうになるんだよ』
 『あの映画の怖いところは全く意味も無く殺人者から怒りを買ってしまうところ』
 『どう考えてもトラック運転手は狂ったサイコ野郎の設定なんだけど、顔が出ないし人間性を一切感じさせないのが一層恐怖感を増幅させているんだ』

 バックミラーに映るトラックはどんどん小さくなる・・・・あれ?・・・・・・小さくならないよ? 
 小さくなるはずなんじゃ・・・・・・何か明るいよ!
 なんでこんなに明るいんだーーーー!

 当たり前です。カローラⅡの直後には追い抜いて置き去りにしたはずのノロノロトラックが迫っているのですから!眩しい!眩しすぎる!まるでUFOと遭遇したんじゃないかと思えるほど。眩しいと同時に凄まじいエンジン音が襲ってくる!
 
 追い越した時のマナーに問題はなかったと思うのですが、トラックは気分を害したのかもしれません。KさんはカローラⅡを道路の端に寄せ速度を落とします。どうぞトラックさん抜いてください。 って抜いてくれません! カローラⅡと同じ速度に減速してついてきます。
 
 完全に狙われた・・・Kさんと私は青ざめたのです。相手がその気なら振り切るしかない!カローラⅡのポテンシャルの限界に挑むかのごとく加速!しかし相手もトラックで飯を食う運転のプロ。振り切るどころか追突しそうな勢いでカローラⅡのテールに接近。

 私たちは作戦を変更することにしました。大抵の大型輸送トラックが通行する道路というのは決まっているものです。行き先にもよりますが、国道273号を紋別方向に向かうなら紋別の市街地付近まではわき道には入らないのが通常。そのまま走行し渚滑まで行って網走方面か稚内方面に分岐することが多いのです。
 
 カローラⅡを私たちは中渚滑というところで国道273から外し遠軽・網走方面に出る道道に入れました。この道だと元紋別付近に出るのです。だけどトラックはついて来たんです。目論見は見事にハズレ!私たちは賭けに失敗したのです。恐怖に慄くKさんと私。Hさんはひたすら眠りについています。多分あのまま事故で死んでいたら自分の死に気付かずHさんは浮遊霊になっていたでしょう。

 トラックはさらに加速!それなりに曲がりくねったコースなのに大型車両のハンディを感じさせない走りでカローラⅡを追い詰めていく。カローラⅡの性能が低いんだかトラックが高性能なのか訳がわかりません。もう泣きたくなってきます。

 紋別の市街地が近づいてきます。ここまで来れば安心。なぜなら元紋別方面にトラックが来るということは網走方向に向かうということ。ドライバーがどんなサイコでも仕事が優先なはず。市街地に入るなどという無駄なことはしないよね。子供とのお遊びの時間は終わりだよサイコ野郎!

 紋別の中心部に入るカローラⅡ。あれ? トラック網走方向に行かないじゃん? なんで市街地にまで来るのさ! もう、いいかげんにしてほしい。 なんの恨みかしらないけれどしつこすぎだ。勝手な解釈かもしれないけれど、本当の恐怖というのは人間に考える猶予を与えてくれない。そして選択の自由を奪ってしまう。圧倒的な暴力の前にはどんな理不尽な行為も許されてしまうみたいだ。

 私とKさんは最後の賭けにでます。市内の商店街にカローラⅡを停車させることにしました。いくら寂れた紋別とはいえ人が住んでいますし、酔っ払いや深夜営業のスナックもあります。他人を巻き込めば何とかなるかも。恐る恐るカローラⅡを人気のある通りに停車。近づくトラック・・・・
 
 トラックは通り過ぎました。私たちに一切関心が無いかのように。あまりにもあっけなく通り過ぎました。恐怖感から解放されると同時に残念というか拍子抜けした気分。大学生というのは自分勝手な生き物だ。ここまで遠回りというか無駄な暴走しておいて最後は何も無しか?子供をからかって何を得たんだ?

 私たちの『激突!』体験は終わった。
 結末がハッピーエンドだったのは本当に幸いだった。
 映画と同じで本当に良かった。

 ピーター・フォンダの『悪魔の追跡』みたいなラストは嫌だ。
 あれはまさに絶望。

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よくいますよね。特に急いでもいないのに、一般車に車間を詰めてきて追いまわす大型ト [続きを読む]

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