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2005/11/11

テリーは俺のトラウマ 流血のリアリティ

 私をはじめ多くの少年プロレスファンに感動とトラウマを与えた伝説の試合がある。

 昭和52年の暮れに行われた全日本プロレス恒例の「オープン・タッグ選手権大会」(世界最強タッグ決定リーグ戦の前身)の決勝戦のことである。

terry_funk_05
(これがテレビで流れたのです)

 対戦カードはテリー・ファンク、ドリー・ファンクJr VS ザ・シーク、アブドーラ・ザ・ブッチャー!

 ザ・ファンクス対極悪外人コンビという、

当時としては珍しい外人レスラー同士の頂上決戦だったのです。

 試合内容は皆さん知ってのとおり初っ端から大荒れ。
 プロレスとはいえ「ここまでやっていいんかい?」ってなぐらい殺伐とした試合になっちゃったのです。

 年末のイベントですから当然季節は冬。
 当時小学2年生だった私はコタツでみかんを食べながらテレビに噛り付いていました。
 私の地域では土曜日の夕方6時から全日本プロレス中継が放映されていたので、プロレスでも観ながら夕飯が出来上がるのを待っていたのです。

 それなのに私の目に飛び込んできたのは生まれて初めて見る残酷映像。
 タイガー・ジェット・シンのサーベルですら許せないのに、ブッチャーが使用した凶器は
「フォーク」

 もちろん食事に使うフォーク。
 そのフォークでテリー・ファンクの腕をブスブス刺しちゃうんです。

 テリーの腕からは血が噴出します。

 泣きそうな顔で痛がり絶叫するテリー!
 黙々とフォークで攻撃するブッチャー!

 兄のドリーは何をしていたのかはよく覚えていません。
 なぜならば、私はあまりにも凄惨なシーンの連続で耐え切れなくなり、途中でコタツ布団の中に隠れたからです。

 コタツの中にも実況音声は聞えてきます。
 「まだやってんのかー 早く終わんないかなー」

 勇気を振り絞って、決死でコタツを飛び出しテレビに目をやると腕に包帯を巻いたテリーがいました。
 いつの間にか応急処置を受けていたのですね。

 包帯はみるみる真っ赤な血に染まります。
 包帯を巻いたおかげで更に残酷映像の効果は倍増!

 ドリーは極悪コンビから2人がかりで攻められていました。
 口裂き攻撃をされていたような記憶があります。

terry_funk_02
(若き日のザ・ファンクス)

 よくわかんないうちに試合は終了。
 結果はザ・ファンクスの反則勝ちでした。
 当然といえば当然過ぎるジャッジですが、どうみても勝者はシークとブッチャーにしか見えません。
 虎の穴出身レスラーも逃げ出す、前代未聞の世紀の反則攻撃で痛めつけたのですから。

 とにかくこの試合がきっかけでザ・ファンクスの善玉としての人気は確定したのです。

 悪役側、特にブッチャーもこの試合がきっかけで極悪非道の悪役外人レスラーのイメージが固定されたのですから悪役冥利に尽きるのでは?

 ヒールの反則に痛めつけられながらも耐えに耐え抜き、ベビーフェイスは終盤で怒りを爆発させて正義の制裁を加える試合展開。
 古典的ながらも一番燃えるんですよこれが。

 しかし今思い出してみると、あれだけ凄惨な場面がテレビ画面で全国のお茶の間に放映されたのに、ショック死した老人の話とか聞いた覚えが無いのですよ。

 日本のプロレスの黎明期に“銀髪鬼”フレッド・ブラッシーが噛み付き攻撃で出血させた相手の血を啜るシーンをテレビで見た老人がショック死した有名な事件がありました。
 ブラッシーの頃は白黒テレビだったから、流血のリアリティは断然テリー・ファンクのフォークメッタ刺しの方が強いはずなんだけど。

 プロレスを取り巻く時代背景もあるけれど、ブラッシーの悪役レスラーとしての『凄み』っていうのがブッチャーよりも遥かに格上だったのかもしれない。

terry_funk_01
(WWFでトップ・ヒールだった頃のテリー)

 それにしても最近は凄みのある外人レスラーが減ったなー。
 最近の悪役は観客の憎悪を得ることはできても、ブラッシーやブッチャーみたいに観客に恐怖を与えることはできなくなったみたいだ。

 何を考えているのか不明で、やたら意味も無く凶暴で、規格外の反則しまくり、観客に全く媚びないレスラーこそ超一流のレスラー。
 勝利よりも相手を血の海に沈めることに生き甲斐を持っているような『外人レスラー』の復活を望みます。

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