« ラナルータ | トップページ | ミルコ・クロコップ、ブログ開始 »

2005/12/26

Tommy、聴こえるかい

   who_tommy_001

 The Who が1969年に発表した“ロックオペラ”

 その名は『Tommy』!
(ところでロックオペラって死語ですか?)

 ケン・ラッセル監督で映画化もされています。

 Tommyは凄くいいですよ。
 アルバムも映画も。
 Tommyを知らずに人生を終えるのは、あなたの人生にとって、とてつもない損失といえます。

 「Tommyって何?」
 「Tommyってなんだか難しそう・・・・」

 そんな人にこそ『Tommy』をおすすめします。
 食わず嫌いは一生の損です。

 『Tommy』はオペラ仕立てなのでアルバム全体がひとつのストーリーです。
 組曲風の構成になっています。

 楽曲だけでも十分に楽しめる『Tommy』ですが、事前にストーリーを予習しておくと更に楽しめます。

 『Tommy』のストーリーとは一体?

 僭越ながら私が解説させていただきます。

  who_tommy_005
        (絶頂期のWhoのステージ)

 第2次世界大戦に出征したウォーカー機長は帰らぬ人に。彼の妻ノラのお腹には赤ちゃんが宿っていました。終戦の日に産まれた赤ちゃんはTommyと名づけられ、ノラは女手ひとつでTommyを育てることになります。

 数年後Tommyはノラに連れられホリデイキャンプに参加します。
 この時ノラはキャンプの世話係をしていたバーニーと恋仲になります。
 未亡人生活に飽き飽きしていたノラは、幼児のTommyを連れてバーニーと再婚する決心をします。
 新婚気分を満喫するノラとバーニーがセックスしていると、戦死したはずのウォーカーが帰宅します。
 ベッドルームは修羅場となり、ウォーカー機長は2人に殺害されます。
(アルバムではバーニーが殺されます)

  who_tommy_012
         (幼少期のTommyとノラ)

 殺害現場を運悪くTommyが目撃してしまいます。
 ノラ達はTommyにきつく言い聞かせました。

 「何も無かった、何も見なかった、何も聞かなかった、誰にも言ってはならない」

 Tommyは精神的に強いショックを受けたせいで、見えない聴こえない話せない三重苦の障害者になってしまいます。

   who_tommy_015
        (青年期のTommy。勿論Roger)

 三重苦となったTommyの症状は青年になっても同じです。新興宗教やジプシーの呪術にすがりますが全く治癒する気配はありません。
 三重苦のせいで従兄弟のケヴィンから暴力を振るわれたり、アニー叔父さんから性的虐待を受けたりします。

   who_tommy_016
       (インチキ宗教の司祭はクラプトン)

   who_tommy_017
         (本尊はMarilyn Monroe)

 そんなTommyに転機が訪れます。
 突如、Tommyがピンボールの才能を発揮し始めたからです。
 三重苦の天才ピンボールプレイヤーとしてTommyの名声は高まります。

  who_tommy_004
        (Pinball Wizard の Tommy)

 ついにTommyはピンボールのチャンピオンと対戦することになります。超人的なテクニックを駆使するTommyは一兆点!ものスコアを叩き出しチャンピオンを撃破。新チャンピオンとなったのです。

     who_tommy_002
       (チャンピオンはエルトン・ジョン!)

 Tommyがチャンピオンとなったおかげで一家は大富豪になりますが、Tommyの三重苦は相変わらず。母親のノラの心は満たされないでいました。

   who_tommy_021
      (走り回るTommy!僕は自由だ!)

 ところがある日、ノラがTommyを鏡に突き飛ばした衝撃でTommyの三重苦が一気に治癒してしまうのです。
 Tommyは現在の自分の立場を理解します。
 世間は世界的なピンボールの王者が奇跡の治癒を果たしたと沸き立ちます。

   who_tommy_026
        (集会で説教するTommy)

 奇跡の復活を遂げたTommyは救世主として祀り上げられました。
 Tommyを教祖とする新興宗教の誕生です。
 Tommy教団は恐るべき勢いで世界に伝播していくことになります。

    who_tommy_028
        (熱狂するTommyの信者)

 一時は膨大な数の信者を抱えたTommyの教団ですが、教団の金儲け主義、Tommyの説く教えの薄っぺらさから、教団は内部から崩壊しはじめます。

   who_tommy_031
         (Tommyに反発する信者達)

 暴徒と化した信者の集団にTommyの両親は殺されてしまいます。教団の本部も焼き討ちに遭います。

   who_tommy_009
    (殺害された両親を前に泣き叫ぶTommy)

 Tommyはピンボールによって得た富も栄光もカリスマも失います。

 全てを失ったTommyでしたが、Tommyはこれで初めて自由になれたのです。
 Tommyを縛り付つけていた不貞の母親や、インチキ宗教、金の亡者、そしてピンボールからも・・・・

  who_tommy_033
     (滝に打たれ悟りを開眼するTommy)

 もうTommyを縛り付けるものは何もありません。

 Tommyはやっと真の自由を得たのです。

 Tommyは失われた時間を取り戻すことができるのです。

   who_tommy_003
        (Tommyは自由だ!)

 大雑把ですが、だいたい上記のような物語です。

 Tommyの鑑賞方法としてお奨めしたいのは、映画を観てからアルバムを聴くことです。
 映画のクオリティーも高いですし、映像を眼に焼き付けておけば、音楽としてTommyを聴いた時に、The Whoが築いたTommyの世界観により深く感情移入することが出来るからです。

 Tommyに限らずthe Whoの創造する曲はどれもよい曲ばかりですよ。

    who_tommy_008
        (WHO'S NEXTも名盤!)

 覚えやすい。

 綺麗なメロディ。

 なんだか懐かしい。

 The Whoの格好良さのキーワードは“親しみやすさ”なんだと思います。

 だからこそ後の世代のPUNK MOVEMENTのように、ロックスターでありながらも、若者から共感されたのではないのでしょうか?

|

« ラナルータ | トップページ | ミルコ・クロコップ、ブログ開始 »

「文化・芸術」カテゴリの記事

「映画・テレビ」カテゴリの記事

「音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/43625/7852674

この記事へのトラックバック一覧です: Tommy、聴こえるかい:

« ラナルータ | トップページ | ミルコ・クロコップ、ブログ開始 »