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2006/04/22

DAVID BOWIEのLOW

 失われつつある音楽のジャンルのひとつに、真の意味での『テクノ・ポップ』があるように思える。

 いわゆる「ベルリン時代」にデビッド・ボウイが発表した一連の作品や、クラフトワークの『人間解体』とか『放射能』のようなアルバムで聴ける音が持つ曲調や雰囲気が、本当の『テクノ・ポップ』だと私は思っている。

 だから、現在の音楽シーンにおける“テクノ”と呼ばれる音楽は、テクノ・ポップからは程遠い、ダンスミュージックの亜流にしか聴こえない。

  Low_2

 テクノ時代を創造したボウイの〝LOW〟は全ておいてテクノの権化だ。

 中身の音は勿論だが、アルバムジャケットが素晴らしい。

 私の勝手なアルバム・ジャケットに関するストーリー解釈は、下記のようなもの。

 核戦争後の荒廃しきった未来世界・・・・ 

 かつて都市が存在した地域には瓦礫しか残っていない。 わずかに生き残った人類は、オゾン層が破壊されために強烈な紫外線が降り注ぐ地上を逃れ、地底に生活の場を移していた。

 全面核戦争で使用された大量の核兵器は、数十億年かけて形成された地球の自然環境を、一瞬にして壊したのだ。放射能が舞い降りる異常な環境で人類は静かに滅びを待つことしかできない。

 ある日ボウイは地上に出てみようと思った。放射能が荒れ狂う死の世界だと知りつつ。なんとなく空を眺めてみたくなったらしい。

 生まれて初めてみる地上は毒々しいまでに美しかった。

 生物の息遣いが全く感じられない静寂が支配する世界。放射能風が吹きすさんでいる。

 空は常に赤い色をしている。真っ赤な放射能雲が浮かぶ空。朝焼けなのか夕焼けなのかはわからない。

 時間が止まった世界・・・・

 静かに空を眺め、風に身をさらすボウイ。

 地下世界に居ては絶対に見ることのできなかった世界。

 人類が想像もできないような世界を見た満足感がボウイの心を満たす。

 勝手にストーリーを想像したくなる〝LOW〟のジャケット。

 空想科学冒険ロックが誕生した瞬間であった。

 ちなみに私が学生の頃。

 なぜか日本国内でボウイの初期のアルバムの殆どが廃盤になっていました。なかなかCD化されなかったので、ボウイの初期の音に出会うためには中古レコードを購入するしか方法はありませんでした。

 しかし、中古レコード業界というのは非常にあこぎな世界なのです。ボウイを求めるファンの心理を完全に把握した中古レコード屋のオヤジは、中古の〝LOW〟を平気で数万円のプレミア価格で店頭に置いていました。お金のない私は壁に掲げられた〝LOW〟を恨めしく見上げることしかできませんでした。

 DAVID BOWIEに飢えていたあの頃の話・・・・

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