« 空が怖い | トップページ | 捨て猫 »

2006/08/14

戦争をしない兵士

 戦争なんてしている場合じゃない!

 松本零士先生の『衝撃降下90度』を読むたびにそう思います。

    Ki_99

 『衝撃降下90度』の素晴らしいところは、太平洋戦争末期で日本の敗色が濃厚なのに、

登場人物の台場(テストパイロット)と山越(技術者)が、全く戦争と関係の無いところで必死に生きているってこと。

 かんたんにいうと、戦争していないってこと。

 技術開発部門という特殊性もあるかもしれませんが、この2人は戦争で勝利することよりも、音速の壁を突き破ることにのみ関心を持っているんです。

 素晴らしいですね。

 最後の試験飛行に飛び立つ台場のセリフが象徴的です。

台場 

“理屈もクソもあるか。戦争も勝敗ももう俺には関係ねえ。”

“俺の手足と目を奪った音の壁を、うちまかすことだけが俺の望みだ。それが俺の敵だ!!”

 泣けてきますね。

 完全に戦争を放棄しています。

 松本零士先生の戦場まんがシリーズの傾向は、登場する戦士の多くが、ある物はもの哀しく、ある物は滑稽に、ある物は無残に、戦場で命を失っていきます。

 凛々しい英雄的な軍人など登場しません。どこか懐かしさを感じさせる、どちらかというとかっこ悪い無名戦士で溢れています。

 華々しくお国のために死ぬなんて戦士は出てきません。

 生きることだけで必死な普通の人たちが描かれています。

 戦争は決してカッコいいものではない。

 憎しみを煽ることは馬鹿げている。

 戦争は愚かしいものなのだと痛感させられるマンガなのです。

|

« 空が怖い | トップページ | 捨て猫 »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 戦争をしない兵士:

» garden stores chicago [garden stores chicago]
army baseball tickets stomp tickets dallas home and garden show [続きを読む]

受信: 2006/08/18 23:17

» 共感してくれる人がいるって事 [優希]
ブログを始めて良かったと思う事は私と同じように悩んでる人、私と言う人間を知ろうとしてくれる人に本当にちっぽけで、何も出来ない私でも知ってもらえる価値がある、生きてる意味がある、そう思える瞬間がある事・・・・ [続きを読む]

受信: 2006/09/02 08:44

« 空が怖い | トップページ | 捨て猫 »