介護で儲けちゃいけないの?
コムスンが介護報酬を不正に受給していたことが大問題になっています。
ここぞとばかりにマスコミから総攻撃を受けています。
コムスンが行ったこと自体は許されるべきことではありません。
しかし、論点がずれっちゃってきてる気がします。
グッドウィルの会長への個人攻撃はいい加減飽き飽きしました。
コムスンが標的にされて一番喜んでいるのは政府与党の政治家と厚生労働省の官僚たちなんですよ。
ハッキリ言うと、コムスンのやってきた事は極端だとしても、
現実に多くの介護サービス事業者が、法律に触れるか触れないかのギリギリのところで営業せざる得ない現状があるのです。
まず職員の確保が大変なこと。
介護サービスの現場ではかなり高度な技術や判断力が要求されます。
専門性の高い業種なのです。
排泄介助や入浴介助など、一般的には汚くて重労働とされる仕事が中心です。
相手は介護を必要とする高齢者ですから、いつ何時、身体状況が急変するかもしれない緊迫感が隣り合わせなので、非常に神経を使います。
贔屓目抜きで言わせてもらいますが、誰にでも出来る仕事ではありません。
高齢社会に突入してしまった日本においては、欠くべからざる職業なのです。
だけれども、介護サービスに従事する者の社会的地位はどうでしょう?
介護職の多くが『働いても働いても報われない』と嘆いています。
どんなに頑張っても自分達の生活に豊かさを実感できないのです。
反比例するかのように労働条件は過酷さを増す一方です。
1箇所の介護サービス事業所での職員の定着率は3年~5年と言われています。
介護の職場を離れる理由は様々だと思いますが、よりよい労働条件を求めて他の介護サービス事業所へ流れる者もいれば、介護サービスの実情に幻滅して離職する者が多いというのが現実です。
一時期、介護業界は本格的な高齢社会を向かえ、花形産業としてもてはやされたものです。
しかし、実際に従事する職員にとって魅力ある職場でないことは、離職する職員の多さが物語っています。
慢性的な職員不足に日本中の介護サービス事業者は喘いでいるのです。
なんで介護サービスは儲からないのか?
いろいろな問題を抱えながらも医療業界は潤っているのに、同じようなサービスを提供する介護業界はなぜ儲からないのか?
国が設定している介護報酬の額が低すぎるからですね。
通所サービスや施設サービスでは、利用者に対して提供するサービス内容に差は無いのに、サービスを提供して得られる報酬は介護度によって差がつけられています。
ヘルパーサービスでは提供するサービスの種類によって介護報酬に差があります。
身体介護と生活援助にサービス内容が大別されますが、生活援助の報酬はかなり低く設定されています。
つまり、通所や施設ではより重度の高齢者を多く受け入れ、ヘルパーは身体介護のお客さんを数多くこなさないと儲からない仕組みになっているのです。
ケアマネジャーの業界も厳しいです。
平成18年の介護保険制度の改正によって、軽度と判定された高齢者のケアプラン作成で得られる報酬は恐ろしく低く設定されました。
多くのケアマネは『2倍とは言わないが、せめて1.5倍くらいじゃないと採算がとれない』と言います。
経済的な問題が絡む以上、介護に対する理念や情熱だけではどうにもならない世界があるのです。
介護保険制度が導入されて以来、報酬体系に問題があることは常々言われてきました。
介護保険制度は介護をされる側も介護を提供する側をもがんじがらめにしてしまいました。
サービスが提供されるまでの手続きの多さ!
利用者と事業者の間で交わされる膨大な量の書類!
サービス事業者に課せられた無意味なノルマ!
しなくてもいい会議!
誰が読んでも意味不明なサービス計画書!
自信を持って言います。
介護保険制度が日本の高齢社会を破壊したと。
話をコムスンに戻しますが、従来は福祉法人にしか認めていなかった介護業界への参入を営利企業にも門戸を開いたのは政府与党です。
厚生省が新ゴールドプランを発表した頃の話です。
民間活力の導入というのがうたい文句で、競走原理を持ち込むことが介護サービスの質の向上につながるということでした。
私はそのことを否定はしません。
高齢者に快適な生活を提供することで喜ばれ、尚且つ自分達の収入も増えていくなんて素晴らしいことだと思います。
働いたものが報われない業界は正常な業界ではありません。
困ったことに、介護というと極端な捉え方をされてしまいがちです。
「崇高な仕事だから儲け度外視で働け」みたいな見方をされてしまうのです。
それって変でしょ?
自分達の生活もままならないのに、他人に介護サービスなんて提供できるわけないじゃないの!
『真面目に介護サービスの経営をすれば儲かるわけが無い』としたり顔で言う輩がいます。
テレビのコメンテーターとかが『介護をなめるな』とか言ってました。
桜井なんとかって馬鹿なおばさんが。
介護とお金を結びつけることは間違っているという発想そのものが、根本的に間違っているのです。
介護という仕事が崇高な業種だとすればなおのこと、もっと社会的に評価されて然るべきだし、正当な評価の下それに見合った報酬を得ていいはず。
無茶苦茶な制度で高齢者サービスを破壊した政府与党の政治家と、自分達の仕事を増やすためだけに制度を複雑化する厚生労働省の官僚こそが断罪されるべきなのです。
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