Modern Times
いつの間にか捕獲されている我々。
パソコンの普及によって、インターネットが各家庭に接続されることに、なんの疑問も抱かなくなったのは、いつの頃からだろう。
ケータイやパソコンを所持していないと、家族や知人とのコミュニケーションが不自由だと感じるようになったのは、いつの頃からだろう。
多くの人々が知らず知らずの間に、電子メール依存症になったのは、いつの頃からだろう。
生きる糧であるはずの金銭が、実態の無い“マネー・ゲーム”の遊び道具になってしまったのは、いつの頃からだろう。
生産効率を重視し、利潤を追い求めていった結果、国内産業が低迷し、自国の産業が衰退し、労働者が職を失い始めたのは、いつの頃からだろう。
働く喜びが失われ、苦痛を感じながらも、それでも生活のために戦場の兵士のごとくボロボロになりながらも労働するようになったのは、いつの頃からだろう。
過労死という言葉が珍しくなくなったのは、いつの頃からだろう。
自分の生活のためではなく、企業に尽くす「企業戦士」に人間が改造されたのは、いつの頃からだろう。
政治が人民の為にではなく、一部の巨大資本や特権階級のために行使されていることに疑問を持たなくなったのは、いつの頃からだろう。
管理社会に疑問を持たなくなったのは、いつの頃からだろう。
“人間の機械化に反対して個人の幸福を求める物語”
映画の冒頭で、チャップリンは上記のメッセージを観る者に送ります。
チャップリンは1936年、つまり第2次世界大戦以前の時点で、現代の我々が人間らしさを失い、社会の機械化が高度に進行し機械システムの奴隷と化す、非人間的な時代の到来を恐ろしいまでに予言しているのです。
ストーリー
工場労働者のチャーリーは、過酷で非人間的な労働のために発狂し病院送りに。
正気を取り戻し退院したものの、大不況のため職探しは困難を極め、挙句の果てには共産党のデモ隊のリーダーと間違われ投獄されてしまう。
模範囚として出所し仕事を探すが上手くいかない。やっと仕事にありついたかと思えば、ストライキで工場は閉鎖。
仕事をしたいのに、とにかく仕事が無い時代。
同じ頃、失業者のデモに参加した父を警官に殺された、浮浪児の少女(ポーレット・ゴダード)とチャーリーは出会う。
二人は人間らしい暮らしを求めて、人間らしい自由を求めて、ささやかな幸福を求めて、協力して生活することを始める。
少女は踊りと歌のセンスを見込まれ、キャバレーのショーに出演することになり、チャーリーもウェイターとして同じ店で働き始める。
やっと、落ち着いた生活を得たかのように思えた2人であったが・・・・
少女は本来なら孤児なので施設に収容されているはずだったが、連行される直前に脱走した為、浮浪罪として指名手配されていたのだった。
キャバレーにもついに捜査の手が伸び、二人は再び逃亡する破目に。
仕事と安住の地を失った少女は絶望する。
“いくら努力しても無駄だわ”
チャーリーは少女を励ます。
“ヘコたれないで 元気を出すんだ”
“運は開ける!”
すると少女に活力がよみがえり、チャーリーと共に幸福を捜し求める決意をする。
二人手を取り合って夜明けの道を、どこかへ向かって歩き始めるが、少女の表情があまりにも悲壮な、決意を固めた顔となっていることに、チャーリーは気づく。
チャーリーは少女に笑顔をするように促す。“こんな時こそ笑顔が大事なんだよ”って語りかけるかのように、優しく少女の笑顔を引き出す。
二人は明るい“スマイル”で荒野の一本道を、名曲『スマイル』にのって、どこかにあるかもしれない、人間らしさを取り戻す旅に出るため歩き続ける。
The End
人間性を失ってしまいすぎた、現代にこそ「モダン・タイムス」は必要とされています。
普通の暮らしを求めているだけなのに、それを阻む社会構造のほうが、どうにかしているって、考えることは普通です。
普通に働いているのに、一部の人に富が集中し、働いている者には僅かな稼ぎしか残らないことに、怒ることは普通の感覚です。
“人間の機械化に反対して個人の幸福を求める物語”
チャップリンの言葉は今も生き続けています。
チャップリンのメッセージは永遠に不滅です。
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