漫画

2011/02/14

UMEZZ HOUSE 探訪記

 私事ですが、神に会ってきました。

 渋谷パルコで開催されていた『天才生誕75周年楳図かずお恐怖マンガ展楳怖』(2011.1.21~2.14)を観に行ってきました!!

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 会期中の毎週土曜日は楳図先生が楳怖に潜伏!?していて、見つけてびっくり「うめこわーっ」が体験できるというのです!!

 神である楳図先生とお会いできる場がセッティングされているのに、行かない理由が見つかるはずもありません。

 なにが私をそこまで突き動かすのか?

 そこに楳図かずお先生がいるから…

 楳図先生と会えるのだから…

 楳図先生がふりまく“幸せパワー”を少しでいいから分けてもらいたい…

 東京在住の同志「U」の支援を受けて、私は上京しました。

  十数年ぶりに。

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2009/10/25

『グワシ!楳図かずおです』が公開されます!

 衝撃のドキュメンタリー『グワシ!楳図かずおです』が公開されるのら~

 楳図マニアも、そうでない人も必見のムービーであること必至!

 私も予告ムービーを掲載して、微力ながら応援することにします!

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2009/02/10

わたしは真悟

 「大人になんか、なりたくなかったのに!!」

 真鈴(まりん)と悟(さとる)の、悲しく、切なく、儚い、奇跡のラブストーリー。

 『わたしは真悟』は、楳図かずお先生の数多い名作の中でも、1980年代を代表する作品で、小学館のビッグコミック・スピリッツで連載されていました。

 当時のあらゆる文化媒体を見回してみても、『わたしは真悟』に匹敵するような作品はそうそう存在しません。屈指のラブ・ストーリーにして、特に《東京タワー登りのシーン》は圧巻の一言。

 こんなにも切ないラブ・ストーリーがあるのかってくらい、幼い2人の言動に心が揺さぶられること必至。

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 もしも、『わたしは真悟』と出会うことが無かったと考えると、私の人生はとてもつまらない、お粗末なものだっただろうと思います。いや、そんな人生など想像もしたくない。

 大げさかもしれませんが、『わたしは真悟』と出会えたこと自体が、一つの奇跡だったのもしれません。

 『わたしは真悟』の何がそんなに凄いのか?

 言葉や文字で表すことは難しいと思われます。なぜならば、

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2004/11/14

鴨川つばめとマカロニ2

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 かつて少年チャンピオンでとてつもなく面白いギャグ漫画が連載されていた。
 ドカベンやブラックジャックが連載されていた頃である。
 彗星のごとく出現し、一瞬のきらめきと共に消えていった幻の漫画・・・
 その名は『マカロニほうれん荘』!!!

 沖田そうじ(高校1年)
 膝方歳三(高校1年、落第10回生、25歳、拳法の達人)
 きんどう日曜(高校1年、落第30回生?45歳、オカマ)
 以上3名が主人公で「ほうれん荘3人組」と呼ばれている。
 そうじは被害者キャラで膝方さんときんどうさん(落第コンビ)に居候されている。
 ギャグの中心は常に落第コンビで、そうじはツッコミ担当。
 ありがちな設定ですが面白かった!

 いまだに絶大な支持を得ている作品である。
 作者は九州出身の鴨川つばめ!

 説明しにくいのだけど、この漫画はギャグ漫画としては笑いのポイントが難しい。
 一度はまれば大爆笑間違いなしなのだが、万人向けの漫画ではないのだ。

 少年誌に連載されていた作品であるが、作者の趣味や嗜好が濃厚に反映されていて「わかる人にはわかる」的な要素が強い。
 鴨川つばめはとにかく“ロック”と“ミリタリー物”が好きなのだ。
 そして“ブルース・リー”

 当時全盛期だったレッド・ツェッペリンやディープ・パープル。
 売り出し中だった“クイーン”や“エアロスミス”。
 上記のようなメジャーなバンドを登場させる以外にもロック的な味付けが随所にちりばめられている。
 なんたってジミー・ペイジが「本当に」かっこよかった時代だもん。
 スターが本当に“スター”だった時代・・・

 そしてミリタリー物!
 はっきり言って、鴨川つばめは軍事オタクだと思う。
 彼の描く武器や兵器、兵装は異様なほどリアルだ!
 小学生だった私が人間魚雷「回天」を知ったのもマカロニだった!
 たぶん戦記物を読みあさっていたのだろう。
 しかし彼は押し付けがましくないのだ。
 私は松本零士も大好きだけど鴨川つばめの場合、第2次大戦を扱った題材でも悲壮感は全く無い。
 「ギャグ漫画に悲壮感は不必要だろっ」とおっしゃる方もいるでしょうが、それまでの漫画は戦争物というとなんか後ろめたさみたいなものが存在したような気がする。

 鴨川つばめは格闘技全般にも造詣が深い。
 「カラテ映画」がブーム後期の頃だったのでブルース・リーっぽいカットが多く、今さらながらブルース・リーが当時の世界に与えた影響の巨大さに圧倒されてしまう。

 そんな個人的趣味満載の『マカロニほうれん荘』がなぜ受けたのか?
 答えは難しい。
 今の時代なら漫画の方向性が多様化しすぎているし、趣味や嗜好が前面に押し出されていても、興味が無ければただ無視されるだけである。
 当時としても「浮いていた」マカロニがなぜ生き残れたのか。
 なぜ、当時の少年チャンピオンの看板作品だったのか。
 私は作品の持つ疾走感じゃないかと考える。
 この漫画は読者に感情移入させる猶予を与えず、ギャグの洪水に溺れさせてしまうのです。
 練りに練ったネタで笑えるオチを読者に与えるのが常だった時代に、ハイスピードのスラッシュメタルのごとくギャグのギターリフ攻撃をしかけるのだ。
 間髪入れない必要以上のギャグの物量攻撃で読者に爆撃をしかける鴨川つばめ。
 読者の反応は完全無視!
 「黙って俺の漫画を読んでくれ!」という感じかな?

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 鴨川つばめは『マカロニほうれん荘』で一時代を築き、漫画界の寵児となった。
 しかし彼はコミックスにして9巻の『マカロニ』を残し漫画界から姿を消した。
 9巻目に収録されている連載終了間際の作品はとても痛々しく目を背けたくなる。
 絵が荒れているのだ。
 あきらかに作品のバランスは崩壊しており、爆発的なギャグは失われていた。
 疾走感を失ったロックの末路は哀れだ。
 〝もう描けないんだよ!〟という叫びが聞こえてきそうだった。

 作品の終盤で落第コンビの膝方さんが実は売れっ子絵本作家だということが判明。
 皆の尊敬を集めるようになってギャグをかましても笑われなくなってしまう。
 笑いものにされたいのに誰も笑ってくれない。
 そんな状況に息苦しさを感じはじめた膝方さんにきんどうさんは気付く。
 そして落第コンビはそうじと別れ街を去る決心をする。
 そうじが眠りにつくなか小舟で海に漕ぎ出す落第コンビ。
 「そうじ元気でなー」
 こんな悲しいギャグ漫画のラストシーンは初めてだった。
 というか、こんなに鮮明に覚えているギャグ漫画のラストシーンは他に存在しない。
 今読み直してみても悲しい気分になる。
 「もう2度と鴨川つばめには会えないんだな」と思った。

 天才のきらめきを失いコミック業界から消えたかに思えた鴨川つばめ。
 しかし彼は再び我々の前に現れた。
 『マカロニ2』という奇妙な作品を引っさげて・・・

 『マカロニ2』のエピソードは別の機会に。

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2004/10/22

ルパンvs複製人間

 ルパン三世の劇場用第1作は、副題が『ルパンVS複製人間』です。

 なかなかDVD化されず、“幻の作品”になってしまっていた映画です。
 他のどうでもいいようなシリーズがソフト化されるのに、なんでマモーだけが?と納得のいかない私でした。

     Lupin_vs_clone_005

 ルパンシリーズで最も評価が高いのは言わずと知れた『カリオストロの城』です。
 だけどアレはルパンじゃないですね。
 あくまでアレは〝宮崎駿の私的な映画〟であり宮崎的ルパンの解釈法なんだと思います。だから、ルパンらしさの片鱗すらない『カリオストロ』はルパン映画としては駄作と言い切ってもゆるされるはず。

 それに対し、劇場版第1作のマモー編は、ルパン三世的要素がふんだんに盛り込まれた娯楽作品として、

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2004/08/31

不動明と飛鳥了 再会シーン

 デビルマンの後半、旧コミックスの5巻のエピソード。

 私が考える中で、マンガ史上最も美しいシーンの一つ。
 永井豪の作家としての才能が結集されており、いつまでも語り継がれるべきだ。
 セリフ、コマ割り、構成、画質、非の打ち所が無いというのはこのことを指すのではないか?

 不動明がデビルマンであることを暴露し姿を消した親友『飛鳥了』
 デーモン一族との戦いに『不動明』を引きずり込みながら裏切ったのである。

 “裏切り者”飛鳥了を不動明達は徹夜で探し続ける。
 そして朝日の昇る頃、ついに不動明と飛鳥了は対峙する。

了 「遅かったじゃないか」

明 「ああ、一晩中かかっちまったよ仲間を総動員したけどな」

 自分達を裏切ったことを問い詰める不動明。
 それに対し淡々と答える飛鳥了。
 一晩中考えていたことを不動に語り始める了。
 

 了の表情は少しけだるそう。

 激高しながらも不動は感情を抑え了に語る。

明 「返答によってはお前を殺さなければならない」
     ↑
ここまでの間の取り方、セリフの配置なんか最高。
敵対しながらも友情を感じさせる絶妙さ。
了の表情の描き分けなんか見事。

 了は開き直り、一気に持論を明にぶつける。
 人間に守る価値があるのか?
 デビルマンも所詮悪魔でしかない!

了  「人間のいない美しい地球」
   「俺達デーモンの世界」

 
以上のようなことを了が語るに至り、明は愕然とする。
 そして確信するしかなかった。

明 「そうか了!君は・・・」

 人間が滅び去った後のビジョンを静かに語り終え、
 明の前を去り行く了。
 それを見送るしかない明。

 明は了に最後の言葉を贈る。

 一言、

明 「サタン」

 一瞬、明の方向を振り返る了。
 そしてまたゆっくりと歩みを進める。

 この2人の会話のシーンの最中なのだが、
 常に逆光なんである。
 白黒2色刷りなのだが、強烈な朝日がページを支配している。

 光と影だけで構成されたシーンなのだ。
 異様な緊張感と絶望感。
 言葉で表現しようの無い疲労感と色気。

 初期の永井豪が少年誌の範疇を凌駕してしまった瞬間であった。

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2004/08/05

漫画の名場面 デビルマン編の2

 さて、デビルマンの原作で私が一番好きな場面。
 というか、漫画史に残るであろう美しいシーンがあるので知ってほしい。

 KCコミックスをお持ちの方はお手元に5巻をご用意ください。

 デビルマン不動明の親友飛鳥了がテレビに出演します。
 悪魔の真実を皆に伝えたいとのことなのですが、これは口実で、不動明が悪魔と合体するシーンを放送してしまいます!

 悪魔の恐ろしさを更に人類に叩き込むのが目的だったのです。

 テレビ放送の直後、この放送を見入っていた牧村家に衝撃が走ります。
 悪魔と同居していたわけですから。
 不動明は牧村家を去る決心をします。
 なぜなら悪魔の総攻撃後、政府は残された工業力や技術力を結集して、悪魔特捜隊という人間狩りを実施していたからなのです。

 悪魔がいた牧村家は、当然ですが悪魔狩りの標的になります。
 だから不動明は牧村家を後にしたのですね。

 問題はここからです。
 不動明は裏切り者の飛鳥了を探し出すことにします。
 デビルマンの仲間を総動員して飛鳥了を捜索しますが、
 一晩中かかっても探し出せません。

 ようやく不動明と飛鳥了が出会えたのは、朝日の昇る頃なのでした。

 つづくだよ。

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2004/07/30

漫画の名場面 デビルマン編

 デビルマンはあまりにも有名な作品なので、あえて詳しい解説は省くことにするが、知らない人の為に簡単な説明をしよう。

 永井豪先生原作の漫画で、かつて少年マガジンに掲載されていました。

 太古より復活し地球の支配権奪取を画策するデーモン一族と、それを阻止するためにデーモンと合体し悪魔の超能力を手に入れた人間不動明!

 一見、勧善懲悪のドラマ仕立てに見えますが、そこは永井豪。
 毒が溢れかえっています!

 人間社会をデーモンから守るために悪魔人間となった不動明。
 しかし、デーモン軍団の総攻撃によって恐怖にかられ理性を失う人類!
 人類の精神は荒れ果てひたすら自滅の道を突き進むのである!

 悪魔以下の存在となった人類を守る価値があるのか?
 苦悩する不動明。

 しかも、不動明をデーモンとの戦いに導いた親友飛鳥了の正体が大魔王サタンなのである。

 連載終了に向かって作品の内容は少年誌の内容を大きく逸脱していく!
 邪悪なデーモンと戦う孤独なデビルマンという図式は既に崩壊し、不動明と飛鳥了の愛と憎悪のドラマへと様相を変えていくのである!!

 とかなんとか書いているうちに、
 簡単な作品紹介ではなくなってしまった。

 名場面解説は次回に持ち越しだ・・・

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